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ブクトリーワン 開発ストーリー

長谷川 隆之 長谷川 隆之
医療法人社団 良癒会
良癒会歯科
院長

自由診療への第一歩

近年保険診療だけでの医院経営は難しいものとなってきています。平成18年4月の診療報酬改正もそれを加速させる結果となりました。いつの日か補綴物の負担率が3割を超えるなどと根拠のない話が不安を基にささやかれています。そんな時代が到来したら、その時点で自由診療を導入すれば良い。このように考えるのは現実逃避であり、困窮する現実はいきなり来るものではなく、じわじわと忍び寄るものです。忍び寄る恐怖の打開策は、はじめの一歩を踏み出す勇気と「ビクトリーワン」の中にあります。

長谷川 隆之

ビクトリーワン開発の経緯

10年ほど前、資料作りに苦労していた頃がありました。その頃はデジタルレントゲンなどもなく歯科医院内にコンピュータがあるとすればレセコンくらいのものでした。口腔内カメラは高価で、電気店で購入したCCDカメラを改造して撮影していました。見積書もコクヨの事務用品モノを使用し、手書きで書いていました。ところが一部の先生は院内にパソコンを導入し、検査ソフトを入れ患者にビジュアルに訴える手法で効果的なインフォームドコンセントを行っていたのです。検査ソフトの存在を知り早速調べてみましたが、どれも高価で今ひとつ使いにくい物でした。そんな中で達人プラス(株式会社ナルコーム)の存在を知ったのです。これは検査結果をパソコンに取り入れプリントアウトできるもので、当時手書きで書いていた見積書の作成も自動計算で出来る画期的なものでした。早速導入して、このイラストと見積り書を使い資料作成を行いました。

模型においては、これまで患者説明用にサンプル模型を数々使ってきました。平成10年頃は未来院患者の模型を保存しておき、必要に応じて使い分けを行っていました。未来院補綴物ということでひとつの模型にひとつの補綴物しか入っておらず、クラウン一本、ブリッジ一装置、メタルボンド一本がそれぞれ全顎模型としてあり、いくつもの補綴物を説明するためには、数多くの全顎模型を用意しなければなりませんでした。カウンセリングを重ねるうちに部位の違う同様の模型もいくつか在庫するようになり、いつしか説明用模型が20種以上になってしまい管理の困難な状態になってしまいました。この現状を改善するために、サンプル模型を上下一対にまとめようと決心したのです。当初は取引先歯科商や通販などで情報を集めていましたが、いずれも経年変化模型はなく、サンプル模型でさえ上下一対とするのは困難でした。そんな中でこの件について相談したある技工所が是非共同で製作したいと申し出でくれたのです。製作は当初から思うように行かず、試行錯誤するうちに第一号が完成しました。問題点はあるものの当時の診療スタイルとしては満足のいくものとなりました。

資料作りにしても模型にしても、このような試みにより自由診療の増大が見込むことができ、更に改良を重ねて現在のスタイルとなったのです。今回完成した「ビクトリーワン」も開発の苦労は経年変化の見せ方にありました。技工サイドでは審美的に優れたものは作り慣れているようですが、劣ったものはどうも難しいらしいのです。

自由診療に取り組むことは高価なものを薦める単なる「営業行為」ではなく、術者自らが本当に受けたい治療とは何かを自分の身に置き換えて考え、その良さを分かりやすく患者に伝えるものです。「断られたらどうしよう」という恐怖を捨て、勇気を持ってはじめの一歩を踏み出していただきたいと思います。

長谷川 隆之プロフィール

平成 2年3月  
北海道医療大学歯学部卒業 同年歯科医師免許取得
平成14年3月
北海道大学経済研究科大学院修士課程修了 MBA取得
平成 2年4月~平成 9年4月
医療法人社団賢裕会にて勤務
平成 9年 7月
はせがわ歯科開院(札幌市)
平成15年5月
医療法人社団良癒会設立 理事長就任
平成15年11月
良癒会歯科開院(横浜市)

谷岡 正行 谷岡 正行
株式会社ニッシン
開発部 企画課

新しいコミュニケーションツールの提案

弊社は以前より、いろいろな説明用模型を取り揃えて、先生方にご活用いただいております。模型を使った説明は、良好なコミュニケーションが図れるとご評価いただいている先生がおられる反面、中には購入されても、うまく活用されずに棚に飾っておかれる先生も少なくありませんでした。5年ぐらい前からでしょうか、何故このような差が出るのだろうと考えだしたのは・・・。模型をうまく活用できない理由が必ず有るはずだと思いました。そこで、いろいろな方にお話を伺うことを繰り返しました。そして、利便性を高めなければと思ったのです。先生方が効率的に説明できるようにするには、ハードとなる模型だけで考えず、ソフトとなるマニュアルの様なものをミックスした新たなツールの提案が必要と考え、試行錯誤を繰り返していました。

そんな時に株式会社ナルコームより、この商品の起点となる長谷川先生をご紹介していただき、お話をお聞きすることが出来ました。模型と治療提案書を使ってのカウンセリング方法をお聞きした瞬間、今まで課題としていた生のカウンセリング手法をマニュアル化できるのではないかと思ったのです。模型とソフトの融合。これがビクトリーワン開発の原点となりました。 長谷川先生の使われていた模型と治療提案書は、臨床でブラッシュアップされただけあってその完成度はすごく高いものでした。だから開発する上で、社内でこだわったことは補綴物の品質だけではなく、より使いやすくするためには、どうすれば良いかということでした。 どうすればチェアーサイドに置いてもらえるのか?自分たちの強みを生かし、置いている所から取りやすく、手に持ちやすくすれば、より使いやすくなるのだろうと結論づいたのです。そしてどんな厚みで、どんな形状が最適なのかの検討が始まりました。試作段階では、自由な発想で丸いものや黒いものもありました。最終的にはシンプルなものが一番使いやすかったので、現在のデザインになりました。また、実際の使用を想定してLEDライトと模型がセットで近くに置ける方がより使いやすいだろうと考え、今の台座付きスタイルに落ち着きました。

補綴物も最初の頃と大きく変更したのは、インプラントぐらいです。そのインプラントも先生方が言われていたことを思い出し、インプラント体をそのまま見せると怖がる患者さんも居られるとのことで、模型歯と同様に外してその断面を見せる方法を採用しました。模型について更にこだわったのはその精度です。あれだけの補綴物をバランス良くするために、最終的に1セットずつ微調整を行う方法で製造を行っています。量産品と言っても、手に取った際にその商品の良さを感じて欲しいという思いで、手間は掛かりますがその方法になりました。

谷岡 正行スキルアップビデオの制作についても、いろいろとありました。最初はやりたいことも多く、実際に進めていくとこれがまとまらなくて、かなり生みの苦しみを味わいました。表面では、先生方の悩みはこんな感じかなと思っていたのですが、実際の核心部分は当事者でないと分からないことも多いのです。そうして長谷川先生と打ち合わせして、いろいろな角度からストーリーを検討しました。そうしたことでカウンセリングには、きっかけから始まる順序とその中で使用するアイテムを見せる順序が大事だという考え。それが今まで先生方が困られていた核心の部分ではないのかとひらめいたのです。それで、できるだけ本物のカウンセリングをカメラに収めようということになりました。ビデオに収められているカウンセリングシーンは、実際に長谷川先生がモデルの方の診察を行ってからそのシーンを撮影しているのです。普段行われている診察をそのまま再現することで、より自然で分かりやすいマニュアルになったのではないかと思っています。

最後にビクトリーワンは、私たちが先生方と患者さんのために、今できることを精一杯詰め込んだ商品になったのではないかと思っています。ビクトリーワンをお使いいただくことで、患者さんにも先生方にもより良い治療の選択ができ、より良い関係が構築されることを願っております。ぜひ、ビクトリーワンをお使いいただき、はじめの一歩を踏み出していただければと思います。 ビクトリーワンは、商品名に”Ⅰ”という数字があるように、今後シリーズ化できればと思っています。今後のビクトリーにもご期待ください。

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